北海道・東北の経済系学部への受験

高校生とその保護者に向けての大学受験情報を整理・発信していきます

旭川大学の公立化は危ない?!

2019年4月6日付の北海道新聞の朝刊によれば、私立大学である旭川大学が早ければ2021年4月にも市立大学化した上で2023年4月をめどに「地域創造デザイン学部」を新設する方向であることが分かった。

 

この議論には本年4月1日から効率化した千歳科学技術大学の影響もあると思われる。千歳科学技術大学は名前の通り理系大学である、一方旭川大学は文系大学になる。現在の旭川大学は経済学部と保険福祉学部を設置している。

 

現在の旭川大学はひどいものである。昨年度までの5年間で旭川大学は1度も定員を上回ったことがない。常に定員割れの大学である。

 

そのため学生の質は悪い上、就職しても奨学金返済に悩まされる学生も多い。東洋経済の調べでは過去5年の奨学金貸与修了者のうち、なんと4.12%が延滞しており、旭川大学奨学金延滞率は全国でワースト33位となっている。卒業後の就職先の不安定さを物語っている。

独自集計!全大学「奨学金延滞率」ランキング | 奨学金制度はどうあるべきか | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

 

おそらく効率化によって学費は530,000円程度に安くなることから一定の志願者の増加は見込める。ただし学生の質の大幅な向上は疑問である。

 

この背景にあると思われるのは千歳科学技術大学との抱える都市圏の違いである。千歳科学技術大学は明確に札幌都市圏をその射程に収め学生獲得を目指している。一方旭川大学は当然旭川都市圏になるのだがその人口規模は大きく異なる。

 

札幌都市圏が抱える人口は236万人である一方、旭川都市圏が抱える人口は約40万人。その人口は札幌の6分の1に留まる。また、保険福祉学部については道北の名寄市立大学とも競合する。旭川大学千歳科学技術大学に比べれば、難産による船出になることが予想される。

 

今後は議会との議論になってくるが、旭川大学の公立化については注視していきたい。